落語「真景累ケ淵」
先日、テレビで古今亭志ん朝の落語「酢豆腐」を久し振りに視聴しました。
落語家の中では、古今亭志ん朝が一番好きです。歯切れのいい語り口、リズミカルな話し方等。そんな落語の中でも異色な落語が「真景累ケ淵」怪談噺です。
累ケ淵は地名で、今の茨城県常総市羽生町の法蔵寺裏手辺りの鬼怒川沿岸の地名。元禄三年(1690年)に出版された、仮名草子「死霊解脱物語聞書」という実話で、慶長十七年(1612年)から寛文十二年(1672年)までの60年にわたる子殺し、妻殺しから親子三代の因果として起きた死霊の憑依騒動を浄土宗の僧祐天が念仏称名によって解脱に導くという仏教説話の体裁をとっています。
この僧祐天が開祖としてまつられているのが、祐天寺です。
この話をベースに歌舞伎「累ケ淵」、落語「真景累ケ淵」が作られました。
話が憑依とか祟りの話なので、歌舞伎「累ケ淵」を上演する時は、祐天寺境内にある記念碑「累塚」をお参りする事にしているそうです。